アドバンス助産師の活躍

第2回 鈴木 令佳様 (かもめ助産院 院長)

はじめに、自己紹介をお願いいたします。

 助産師になって27年目です。福岡県出身で学校を卒業してからずっと神奈川県で働いています。
 アドバンス助産師は初年度の2015年に取得しました。

院長を務めておられる、かもめ助産院のことを教えていただけますか。

 2001年に橫須賀市に開業して19年目になります。
 3床の有床助産所で、妊婦健診、分娩、産後ケアの事業を展開し、開業後1100人以上の赤ちゃんが誕生しています。また、昨年から周産期(精神)看護に特化した訪問看護ステーションを併設しました。
 また、橫須賀市助産師会の事務局も担っていて法人化に向けて準備中です。

開業の経緯はどういったことでしたか。

 私と今も一緒に働いている助産師が就職した病院は産科に特化した市立病院でした。
 そこで母乳育児に取り組み、お産後に母乳育児をスムーズに進めるには分娩方法を変えようとフリースタイル分娩を取り入れ、それらをお母さん方に理解していただき、身体づくりを勧めるために助産師外来を開設し、医師の協力も得て変革をしていきました。その病院が大学病院に合併吸収されることをきっかけに閉院となり助産所開業を決心しました。

かもめ助産院での、普段のお仕事の様子はいかがですか。

 妊婦健診や母乳相談、産後ケア入院の方のケアを行なっています。
 妊婦健診では一人一人に健康なお産をしていただくため、その方に会った保健指導を心がけています。入院中はお産の経過に会わせたお食事を提供し、体力の回復に向けた身体的ケアを行なっています。産後ケアや母乳相談は他院でお産された方々も多く利用されていますので、産婦さんのお話をよく聞くようにしています。
 そのほか、助産師会の定例会や研修会の準備なども行なっています。

助産師を目指した理由やきっかけはどんなことでしたか。

 看護学校の実習で分娩に立ち会わせていただき、助産師さんがお産を最初から最後まで看護、処置をしている姿にあこがれたこと、赤ちゃんの瞳の美しさに感動したことです。

この仕事の難しさを教えてください。

 妊産婦さんの家族の将来をも担う仕事なので、スタッフみんなが同じ方向性のケアができるか、というところです。幸い仕事をしている仲間は長く一緒なので、気心のわかる人たちに助けてもらって仕事ができています。

この仕事の良いところを教えてください。

 少子高齢化ではありますが、産後ケアや訪問看護をやっていると地域で助産師職能が求められていることを実感します。前職の病院で学んだように自身の意識次第で助産師職能を広げて仕事の幅を広げることができるところだと思います。

助産師になってより磨かれた部分、得意になったことはどんなことでしょうか。

 地域で助産師として働くためには行政の保健師さんや議員さん、鍼灸師さん、整体師さん、保育士さんなど他職種の方とのネットワークを持つことが大切で、いろいろな引き出しを持つことが妊産婦さんの一助となります。一人の妊産婦さんに自分がもつ助産ケアだけでなく、地域財産を広く活用できるようになったことです。

最後に、アドバンス助産師としての抱負や、これからアドバンス助産師を目指す方へのアドバイスをお願いします。

 助産所でやっていることを発信しながら、ICMなどにも積極的に参加して様々な国の助産師と交流を持ち、助産に関わることを吸収して職能の幅を広げていきたいと思います。
 これからアドバンス助産師を目指す皆様には目先のことだけでなく、広い視野を持って職能の幅を広げていただければと思います。

ご協力ありがとうございました。