アドバンス助産師Vol.9

2021.07.30

  • アドバンス助産師が拓く未来

    日々の実践の中でアドバンス助産師の専門性を活かしていけるよう、力を合わせてまいりましょう。

公益社団法人日本助産師会 会長

島田 真理恵

 未だ新型コロナウイルス感染症の流行終息が見えないなかでも、日々、女性とその家族への支援を継続し、研鑚に励んでいらっしゃるアドバンス助産師の皆様に敬意を表します。

 

 さて、昨年度はコロナ禍によって出産数の減少に拍車がかかったと言われていますが、今年初頭からの妊娠届け出数をみると更に大幅な減少をみせることはないのではないかと言われています。感染症の拡大や厳しい社会状況の中でも次世代を産み育むことを希望され、感染防止のために孤立しがちになりながらも、日々懸命に過ごしていらっしゃる妊産婦さんへの生活支援は、私たち助産師にとって、ますます重要な役割となってくるでしょう。

 

 また、コロナ禍は、望まない妊娠への対応策が議論されるきっかけともなりました。2020年4月時限的特例的な取り扱いではありますが、緊急避妊薬処方についてのオンライン診療が開始され、10月には内閣府において、緊急避妊薬に関する専門の研修を受けた薬剤師が十分な説明の上、対面で服用させることを条件に処方箋なしで緊急避妊薬を利用できるよう検討する方針がうちだされました。これを受けて、昨年12月に日本看護協会、日本家族計画協会ならびに日本助産師会が共同で、内閣府ならびに厚生労働省あてに「緊急避妊薬の使用時に助産師外来や助産所等で受胎調節実地指導員またはアドバンス助産師Ⓡによる支援が受けられる体制の整備を図られたい」という要望書を提出しました。

 

 この要望については現在実現しておりませんが、助産師としてたゆまぬ努力をされているアドバンス助産師の皆様が活用されるよう、社会に発信していくことが重要と考えています。皆様も日々の実践の中でその専門性を活かしていけるよう、力を合わせてまいりましょう。

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