アドバンス助産師Vol.9

2021.07.30

  • アフターコロナにおける助産師教育

    全国助産師教育協議会では、COVID-19に続く未知なる感染症の出現・拡大に加え、少子高齢化の加速、労働人口の減少、自然災害の頻発、IT技術革新に伴うセキュリティ対策など、昨今の日本が抱える社会の諸問題を鑑み、今後5年間を見据えて「助産師教育における将来ビジョン2021」を示しました。

公益社団法人全国助産師教育協議会 会長 村上 明美

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大は我々の想像をはるかに超え、いまだ収束の兆しは見えません。助産師教育においても多くの学校で対面授業からICTを活用したオンライン授業へと急速に切り替え、臨地での助産学実習の延期や中止に伴って学内実習に変更するなど、多くの工夫が求められました。

 

 本協議会では、COVID-19に続く未知なる感染症の出現・拡大に加え、少子高齢化の加速、労働人口の減少、自然災害の頻発、IT技術革新に伴うセキュリティ対策など、昨今の日本が抱える社会の諸問題を鑑み、今後5年間を見据えて「助産師教育における将来ビジョン2021」を示しました。アフターコロナにおける持続可能な助産師教育の実現に向けて、以下4点の事業を強化します。

  • 助産師学生の実習前/卒業前の能力を担保する

     助産師学生を対象とした実習前/卒業前の助産師教育共用試験(CBT:Computer Based Testing/OSCE:Objective Structured Clinical Examination)の導入を図り、学生の能力を保証するシステムを開発していきます。

  • 助産学担当教員の教育力の向上/保証、臨地実習指導者の指導力の向上を図る

     助産学担当教員や臨地実習指導者に対して「望ましい助産師教育2020年版」を実行するための教育研修を、体系的に展開します。加えて、本協議会の「助産師教員キャリアラダー」に基づき、助産学担当教員の教育力を保証するキャリアラダー認証制度の設立を進めていきます。

  • 助産師教育/助産学担当教員・臨地実習指導者研修の危機管理体制を構築する

     未知なる感染症等の影響により通常の助産師教育が阻害される危機的状況下においても、ICT等を活用して遠隔でも対面でも同等の学習が保証される助産師教育環境の整備を進めます。また、危機的状況下等を想定し、臨地実習で修得すべき助産実践能力の修得を促進する教育方法の検討を行います。

  • すべての教育課程において、看護基礎教育に積み上げた修業年限2年の助産師教育を推進する

     社会に求められる助産師の役割に対応するために、すべての教育課程において、看護基礎教育に積み上げた修業年限2年の助産師教育を推進していきます。そのために、2年間で「望ましい助産師教育コア・カリキュラム2020年版」を実行するためのモデル・コア・カリキュラム案や参考となる教育実践例を提示していきます。

 

 引き続き、本協議会の活動にご理解、ご協力いただきますようお願いいたします。

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