アドバンス助産師Vol.17

2025.07.15

  • 【アドバンス助産師ご当地情報】
    地域に根ざした産後ケアの実践
    ―6年間の歩みから見えたこと

    産後ケア専門の助産所を開設して6年。利用が少なかった時期を経て、今では多様な母子を迎える日々です。支援の現場から見えてきた、助産師に求められる役割や必要な知識、そして地域と信頼関係の中で育まれるケアのあり方について振り返ります。

助産所 わ 所長

杉山 泰子

 令和が始まった2019年5月に産後ケアに特化した助産所を開設し、丸6年が経ちました。その頃はまだ産後ケアの認知度も低く、利用者は僅かでした。

 その後「異次元の少子化対策」という方針のもと、産後ケア事業が努力義務化され、ユニバーサル化されるに至りました。それに伴い、当助産所も急速に利用が増え、令和6年度は、ショートステイ128件、デイケア112件、アウトリーチ46件でした。

 

 受け入れ当初は、ケアに加え、調理から掃除洗濯まで一人で担っていましたが、現在は調理スタッフと知り合いの助産師数名に支えてもらいながら運営しています。

 これまで30年間以上、病院、クリニックや助産所で分娩産褥のケアに携わってきましたが、産後ケアを始めてから、これまで以上に様々な知識が必要であることを実感しました。乳幼児の発育発達のこと、補完食のこと、産後のメンタルヘルスのことから育児グッズ情報や抱っこ紐の使い方にいたるまで、ありとあらゆることを知っていなければ、様々な月齢の乳児の幅広い質問に対応できないのです。本当に、毎日が勉強でした。今となっては、こちらの方が本来の助産師の姿なのだろうと思います。

産後ケアでは、お母さんたちが安心して育児に向き合えるよう、新生児からさまざまな月齢の乳児まで、それぞれの状況に応じてサポート

産後ケアでは、お母さんたちが安心して育児に向き合えるよう、
新生児からさまざまな月齢の乳児まで、それぞれの状況に応じてサポート

 このように利用が急増した要因として、当院では4カ月以上児のショートステイ、双胎、上の子や夫同伴の利用も受け入れているからではないかと思っています。

 さらに当院へは、精神的に軽い困難を抱えた方の利用の打診が度々自治体から入っていました。これは、自治体の担当者が助産師へ信頼を寄せてくださっているからだと自負しております。同時に、こういった寄り添いを必要とするケースへの丁寧なケアが助産所の産後ケアに求められている部分なのだろうと思います。

 

 今のお母さんたちは本当に大変そうです。そのお母さんたちが安心して育児と向き合えるよう、サポートできたらと考えています。そのために自身のスキルアップと知識のアップデートを怠らず今後もアドバンス助産師であり続けようと思います。

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