Vol.18
2026.02.20
-

専門性を社会の信頼へ
―アドバンス助産師の意義と制度への期待少子化と周産期環境の変化により、助産師には高度で多様な実践力が求められています。アドバンス助産師は第三者評価で専門性を可視化し、信頼と説明責任の基盤となります。分娩費用の保険適用化を見据え、助産ケアの費用化と質を担保する体制整備、継続的学びの文化醸成が重要です。

公益社団法人 日本助産師会 会長
髙田 昌代
少子化が加速化し、妊娠・出産・育児を取り巻く環境が大きく変化する中で、助産師に求められる役割は、女性と家族の人生に寄り添う専門職として、より高度で多様な実践力へと広がっています。そのような時代において、助産師一人ひとりの専門性を社会に「見える形」で示し、信頼につなげていくことは、極めて重要な課題です。
アドバンス助産師は、助産師の実践力を客観的に評価し、一定水準以上の専門性を備えた助産師であることを第三者の立場から示す仕組みです。専門職が自らの力量を社会に説明する際、自己評価だけでは十分とは言えません。第三者評価は、専門職としての自律性を高めると同時に、妊産婦や家族、さらには行政や他職種に対する説明責任を果たす基盤となります。
2025年の暮れ、妊婦に新たな負担を求めることなく、あらかじめ設定された分娩費用の全額(10割)を保険給付とする仕組みとし、保険診療の範囲外となる分娩対応に要する費用についても、妊婦の自己負担が生じない制度設計が進められることとなりました。この制度の下では、これまで十分に評価されてこなかった助産師による助産ケアを、適切に費用化することが不可欠です。妊娠・出産・産後にわたる継続的な助産ケアは、母子の安全と満足度を高める重要な専門的実践であり、その価値を診療報酬体系の中で明確に位置づける必要があります。
また、医療機関や助産所においては、アドバンス助産師が在籍していることなど、助産ケアの質を担保する人員配置や体制整備が、今後の評価や選択における重要な要素となってほしいものです。量ではなく質が問われる時代において、専門性の高い助産師を適切に配置し、質の高いケアを提供できる体制を構築できるかどうかが、大きな分かれ目となるでしょう。
日本助産評価機構が推進してきたアドバンス助産師の普及は、単なる資格制度ではなく、助産師が学び続け、実践を振り返り、質を高め続ける文化を育てる取り組みでもあります。日本助産師会としても、助産師の専門性が正当に評価され、安心して活動できる環境づくりに今後も力を尽くしてまいります。アドバンス助産師が、女性と家族、そして社会から一層信頼される存在として広く認知されていくことを心より期待しています。









