Vol.17
2025.07.15
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【特集:アドバンス助産師による妊娠期からの継続的なケアを強化する】
“産む”に寄り添い、“もしも”に備える:
しんしろ助産所の取り組み助産所が取り組む産科オープンシステムでは、助産師の専門性が最大限に発揮されます。妊娠期から分娩、育児期まで継続的に寄り添い、『安心・安全・満足』を提供する助産所の実践についてお話しいただきます。
しんしろ助産所 助産師
小笠原 奈美
しんしろ助産所は全国的な地域医療崩壊の中で出産施設がなくなった愛知県東三河北部に、全国でも珍しい公設の助産所として2011年に開設されました。
当助産所の分娩は、隣接する静岡県浜松市にある聖隷三方原病院の産科オープンシステムを利用し、院内助産所でおこなうのが大きな特徴です。僻地に位置する医師不在の助産所で安全に妊娠分娩管理を行うため、また、助産師の専門性を発揮し、助産所ならではの家庭的な雰囲気の中で新しい命の誕生を迎えていただきたいという思いからです。
出産は人生で幾度とない貴重な体験です。母としての自信となり、そこから始まる育児にもよい影響をもたらすよう、満足のいく豊かな体験となることが重要です。
助産所という施設で産科オープンシステムを利用することで、異常時にはすぐ医療介入が可能な体制の中での助産師主体の関わり、また、妊娠期から分娩期、育児期までの継続的な関わりを通して“安心、安全、満足”を提供できるよう努めています。
この産科オープンステムを利用して生まれた赤ちゃんは昨年度末で117人になりました。その一方で、正常を逸脱し病院管理に移行した事例もあります。妊娠高血圧症候群、早産、胎児疾患(無頭蓋症、心臓疾患)、予定日超過誘発分娩、胎児機能不全、産後出血、また、動脈管開存症、新生児黄疸などでNICUに入院管理になった事例もありました。
いつ何が起こるかわからないのが妊娠・出産です。未だに「助産所では出産できないのか」という声を聞くこともありますが、第一に母子の安全を確保する現在のシステムが最善だと思っています。
利用者のバースレビューには、妊娠期からの継続的なケアを通して、慣れ親しんだ助産師の存在、温かい雰囲気、丁寧な説明、些細なことも気軽に相談できる、常に側にいてくれる、といったことが出産時の安心感、満足感、達成感につながり、その後の育児期も心の拠り所になっているとの声をいただいています。
今後も母子に寄り添い、妊娠・出産・子育てのサポートをしていきたいと思います。

助産所ならではの家庭的な雰囲気の中で迎える新しい命の誕生











