アドバンス助産師Vol.18

2026.02.20

  • アドバンス助産師へのエール

    我が国の周産期医療は、世界最高水準の安全性を誇る一方、急速な少子化により深刻な局面を迎えています。安全で安心、かつ質の高い周産期医療体制を持続させるため、「アドバンス助産師」の一層の活躍に期待します。

公益社団法人 日本産婦人科医会 会長

石渡 勇

 わが国では、1960年に自宅分娩と分娩機関との分娩数が逆転し、現在は分娩の99%が医療機関で行われています。一次(産科診療所・私的単科病院)、二次(総合病院等)、三次(周産期母子医療センター)との機能分担と密な連携が周産期医療圏ごとに構築され、各機関においては産婦人科医・助産師・看護師のチームワークによって妊産婦さんにとって安全で安心で満足のいく医療が提供されています。その結果、我が国は周産期死亡率、妊産婦死亡率等の公衆衛生指標において、世界トップの成績を残しています。

 

 ところが、わが国の周産期医療は、現在深刻な状況を迎えました。それは分娩数の減少に伴う少子化問題であります。国の予測より12年も早く進行しています。昨今の分娩数の減少、物価・人件費等の高騰は、分娩機関の経営に大きな打撃を与え、地域の周産期医療を支えてきた産科診療所を中心に分娩からの撤退が起き、特に地方では著明で、全国335ある二次医療圏の半数で産科診療所が消滅し、いわゆる「お産難民」が増加しています。

 

 このような社会情勢のなか、安全で安心で質の高い周産期医療体制を確保するために、それを担う医療従事者、助産師、特に「アドバンス助産師」への期待がこれまで以上に高まっています。妊産婦さんには、妊娠前からのプレコンセプションでも、妊娠中でも、そして出産、産後でも、身体的精神的社会的にも良好な状態を保つための支援が必要です。

 

 「アドバンス助産師」は、助産師界自らが作られたCLoCMiPレベルⅢ認証制度により助産師の助産実践能力が一定の水準に達していることを評価・認証されています。そして、院内助産・助産師外来を自立して行うことができるスペシャリストであると同時に、質の高いジェネラリストでもあります。産婦人科医・新生児科医、時には必要な医療福祉専門家と連携し、周産期医療の現場においては安全できめ細やかな助産ケアを提供しています。更なる活躍を期待しています。

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