アドバンス助産師Vol.16

2025.02.10

  • アドバンス助産師誕生から10年!今後の活躍に期待

    アドバンス助産師認証制度は今年で誕生から10年を迎えます。全国で多くの助産師がその専門性を発揮し、周産期医療体制の強化に貢献しています。助産師の更なるキャリアアップを目指し、申請を是非ご検討ください。

一般財団法人 日本助産評価機構 理事

小川 久貴子

 アドバンス助産師が誕生した2015年から今年で10年となる節目の年を迎えます。2024年12月時点、当評価機構にアドバンス助産師として認証された方は、新規合格者461名、更新合格者328名、再認証合格者59名の合計848名となり、現在の認証者数は9060名になりました。

 

 このアドバンス助産師数は、第7次医療計画から「周産期医療の体制構築に係る現状把握のための指標例」の1つとして認められるようになりました。そして、昨年4月からの第8次医療計画の「周産期医療の体制に係る指針」には、産科医師から助産師へのタスク・シフト/シェアの1つとして、院内助産や助産師外来の活用が明記され、全国でアドバンス助産師の育成とその確保が急務となっております。

 

 国は「公的価格評価検討委員会中間整理」(2021年12月)において「すべての職場における看護師のキャリアアップに伴う処遇改善のあり方について検討すべき」とし、新たに「特に高度の知識経験に基づき困難な業務を処理する看護師の職務」を、国家公務員医療職俸給表(三)級別標準職務表3級に位置づけるようになりました。

 しかし、アドバンス助産師の処遇は施設に任されており、昇格や給与に反映されている施設は未だに少ない現状です。公立・公的施設に限らず、国家公務員医療職俸給表(三)に準じた賃金制度を持つ医療機関は少なくありません。皆様には「特に高度の知識経験に基づき困難な業務を処理する看護師」にアドバンス助産師を位置づけて自施設の賃金制度を見直し、アドバンス助産師を志す者が増えるようにお力添えをいただけますと幸甚です。

 

 これまでは、アドバンス助産師の活躍の範囲は、助産師のコア・コンピテンシーのマタニティケアの部分に特化してきました。本認証制度誕生から10年を経過した今年は、アドバンス助産師2回目の更新に臨まれる方も大勢おられると思います。少子化が進む中、今後は思春期からの性教育や不妊治療にある女性の支援、更年期や老年期にある女性の支援といったウィメンズヘルスケアについても力の発揮どころといえましょう。

 

 昨年は、このように貴重なアドバンス助産師認証の合格発表に際して不備があり、皆様に多大なるご迷惑をおかけしましたことを心よりお詫び申し上げます。

 今後は、再発防止に努め、このようなことが生じないよう機構一同で努めて参ります。助産師のさらなるキャリアアップを目指し、奮って申請してください。どうぞよろしくお願いいたします。

よく読まれている記事