アドバンス助産師Vol.16

2025.02.10

  • 【アドバンス助産師ご当地情報】
    アドバンス助産師として地域と共に家族支援ができることを目指して

    女性とその家族のライフサイクルにアプローチできることに、助産師の可能性と強みがあるという宇野さん。施設や地域での活動を通じて感じたことや課題、そして今後の展望についてお話しいただきます。

一般財団法人 倉敷成人病センター 周産期センター 副主任

宇野 真由美

 私は、岡山県倉敷市倉敷成人病センター周産期センターで助産師として22年、妊産婦・分娩・子育て支援に携わってきました。当院は年間1300~1400件の分娩を取り扱う地域に根ざした急性期病院です。助産師は57名在籍しており、そのうちアドバンス助産師は17名です。分娩件数の多い施設であり、分娩件数の少ない施設の助産師の研修を受け入れるなど、出向交流研修事業にも積極的に参加しています。また、当院でもハイリスク妊婦や無痛分娩の増加など、時代の変化と共に家庭環境や妊産婦が求めるものも大きく変わってきたと肌で感じており、新しい知識や技術の更新の必要性を痛感しています。

 

 当院周産期センターは、外来・分娩・産褥・新生児・NICUの5つの部署からなり、各部署にアドバンス助産師が配置されています。アドバンス助産師は、スタッフ教育やそれぞれの専門性を発揮し妊産婦支援や母子支援を行っています。

 

 私自身の活動の一つに、10年ほど前から「いのちの大切さ」を伝える岡山県看護協会の出前講座事業として県内の中学生高校生を対象とした性教育の実施があげられます。時代の変化とともに、子どもたちを取り巻く環境も大きく変わってきています。私自身、社会情勢や妊婦を取り巻く環境から、常に知識をアップデートしていかなくてはならないと考えています。その中でも大切にしているのが、子どもたちとの対話です。助産師としての専門的視点で話したり、時には子どもたちと同じ目線に立って考えたりしながら、子どもたちからもらう学びも多いと感じます。子どもたちが自分のライフステージにおいて自分らしく生きていくことができるように、何かヒントとなるようなことを伝え、またともに成長できるよう、今後も活動していきます。

 

 助産師の可能性及び強みは、女性とその家族のライフサイクルにアプローチできることだと思います。家族や夫婦の在り方も多様化してきており、それに伴い助産師の役割、必要性も大きくなってきていると感じています。アドバンス助産師として社会の要請に応じた能力に対応し、専門性を発揮できるように日々精進していきたいと思います。

中高生のための性教育セミナー(岡山県看護協会出前講座事業)では、助産師としての体験を通して「いのちの大切さ」を伝える。

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