アドバンス助産師Vol.16

2025.02.10

  • 【特集:性と健康の相談支援センター事業を推進する】
    女性の健康総合センターの役割と助産師に期待すること

    各ライフステージで大きく変化する女性の健康課題に包括的に対応する「女性の健康総合センター」。妊娠から産後ケア、更年期まで、あらゆるステージで女性の心と体を支える取り組みをご紹介します。

国立成育医療研究センター 女性の健康総合センター

小宮 ひろみ

 女性は各ライフステージにおいて、生物学的および心身の状況が大きく変化し、その結果、さまざまな健康上の問題が生じます。女性の健康総合センターは、女性の健康や疾患について、心身の性差も考慮し、ライフステージごとの多面的かつ包括的な分析を行い、病態の解明や予防、治療に向けた研究を推進することを目的として設立されました。「女性の健康」に関する司令塔機能を担い、研究、臨床、技術開発を行います。

 

 事業の柱として、以下の5本をたてました。

 1.女性の健康に関するデータセンターの構築

 2.女性のライフコースを踏まえた基礎研究・臨床研究の積極的な推進

 3.情報収集・発信および政策提言

 4.女性の体と心のケアなどの支援

 5.女性に特化した臨床機能の拡大

 これらの事業について、センター内だけでなく全国の医療機関、関連学会、製薬企業などと連携しながら女性の健康について推進してまいります。

 

 助産師の皆様には、女性の健康促進に向けて、共に歩んでいくパートナーとしてご協力をお願い申し上げます。女性の健康総合センターでは、近年の産後うつなどの課題に対応するため、産後ケアセンターを4本目の柱として設置いたします。妊娠、出産、産後の女性とその家族をサポートする専門職として、重要な役割を担っておられる助産師の皆様との連携をお願いしたいと考えております。また、月経関連や更年期の健康相談、避妊、性教育、リプロダクティブヘルスなどの分野や、近年注目されているプレコンセプションケアについても皆様のお力は甚大であると考えております。特に、プレコンセプションケアは、「若者の健康作り」として国全体で取り組むべき事業と考えます。

 今後、女性の健康総合センターでは、女性の健康を促進するための多職種の人材育成とネットワーク形成をすすめてまいります。皆様のお力をお借りしたく、どうぞご支援ご協力のほどお願い申し上げます。

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