アドバンス助産師Vol.8

2021.02.10

  • 【特集】産後ケア事業とアドバンス助産師
    諏訪赤十字病院の取り組み

    妊娠期から育児期における切れ目のない支援を目指す「母子のための地域包括ケアシステム」において、「助産師外来」「院内助産」「産後ケア事業」の3点について、諏訪赤十字病院のケア提供体制の構築を推進するアドバンス助産師の活動を紹介します。

諏訪赤十字病院 師長/アドバンス助産師

三輪 恵美

 当院は、地域周産期母子医療センターとして、年間470件余の分娩を取り扱っています。28床の産科混合病棟でNICU6床、GCU4床を併設しています。看護師19名、助産師22名うち7名のアドバンス助産師と、外来担当のアドバンス助産師1名が在籍しています。

 妊娠期から育児期における切れ目のない支援を目指す「母子のための地域包括ケアシステム」において、「助産師外来」「院内助産」「産後ケア事業」の3点について、当院のケア提供体制の構築を推進するアドバンス助産師の活動を紹介します。

 

 “マミー外来”という親しみやすい名称の「助産師外来」では、助産師が妊婦健康診査や、産前産後の個別保健指導を行っています。ハイリスク妊産婦や、地域連携の必要な特定妊婦の紹介も多い現状に加え、コロナ禍の影響で、都会への里帰り出産や、予定した育児支援が受けられなくなった妊産婦も増え、妊娠初期から育児支援体制の確認を行い、産後ケア入院などの支援へ繋げています。「どんな状況下でも、保健指導や妊婦同士の情報共有の場が持てるよう改善しよう!」というアドバンス助産師の提案から、お産学級はオンラインシステムを取り入れました。

 

 

 「院内助産」では、基準の作成や改定には正確な知識と、推進には技術やチーム力を要するため、アドバンス助産師が、医師との協議や信頼関係作り等において要となりました。また、混合病棟のため、他チーム看護師へ向けた分娩に関する勉強会の開催も、アドバンス助産師が計画しました。結果、全分娩の約半数を院内助産で実施しています。

 

 「産後ケア事業」では、産後2週間健康診査やEPDS(エジンバラ産後うつ病質問票)の導入、産後ケア入院新設時の手順作成を行い、地域連携カンファレンスへの参加や、院内精神科、医療ソーシャルワーカーと協働し、心理・社会的ハイリスク妊産婦の支援を行っています。

 

 これまで培った助産技術や知識を基盤に、CLoCMiP®レベルⅢ認証制度による自己研鑽や、全国の助産師の活躍を後押しに、当院のアドバンス助産師も、社会の変化に対応し、これからも母子のために新しいことへ挑戦し、役割を果たしていきます。

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